イカ・鯖(さば)の寄生虫　中編

北海道旭川市の旭山動物園。

今でこそ、海外からも入場者が押し寄せ、絶大な人気を誇っておりますが、昔は人気の無い動物園でした。

廃園も時間の問題と言われた当時、泣きっ面に蜂の事件が起きました。

ゴリラ（ゴン太のイメージ写真）

乏しい動物の中でも人気のあった、ゴリラのゴン太が突然倒れたのです。原因は、寄生虫でした。エキノコックスという名の寄生虫は、ゴン太の命を奪いました。さぁ、大変！入園者から、人間にも感染る寄生虫に恐怖を覚え、抗議・詰問の電話が鳴り続けました。ゴン太は体重が、250～300キロくらいありました。飼育係が我が子のように育てたので、健康的な日常を送っておりましたが、感染後あっけなく死んでしまいました。これだけ頑丈で元気なゴリラでも、何ミリ単位の寄生虫には叶わなかったのです。日本では、イコール小学校の時のギョウ虫検査のイメージが強いですが、想像以上に恐ろしい存在なのです。

エキノコックス

日本で、寄生虫に関して詳しいのは九州大学と言われています。以前、絶版になった同大学の写真入りの寄生虫学の本を閲覧する機会がありました。実は、ウイルスよりも種類は多く、構造は口から肛門まで直結し、両性具有という、何ともイヤラシい生き物です。しかも、脳・肝臓・骨というように、住み着く場所も様々です。写真で、姿形を見て驚いた！まるで、水木茂の妖怪の世界のようです。印象に強く残っているのは、シッポの先にナイフのようなものがついている寄生虫がいました。そのナイフで硬い骨の組織を砕き、中に潜入するというのです！また、ある小学生の変死事件にも触れておりました。他殺かどうか司法解剖を行ったところ、内臓から多量の寄生虫が発見されたのです！

満月の夜、産婦人科では出産率が高くなりますが、寄生虫も同じ満月の夜、多量に産卵するのです。一緒にするなと言われそうですが、事実なのです。昔から西欧では、満月の夜は強盗・殺人・事故が多いと言われます。オオカミ男伝説は、こんなところからできたのかもしれません。

寄生されている宿主(人間)は、意味もわからず、発狂・発動してしまうのかも。信じられないでしょうが、脳・心まで支配されることがあるのです。

続く