催眠術 ~前編~
私は、催眠に批判的ではありません。むしろ、元祖たるメスメルが用いたことにより、フロイトが触発され、精神分析学が確立されたことに多大な興味を持っております。
本格的に学んだことが無い私は、整体の新コースの力添えになると思い、ある所で体験する機会を得ました。連続二人の術師にかけてもらいました。前もって調べた催眠術師の中でも、得るものが大きいと判断した先生に学んだ術師さんたちでした。
素直な気持ちで臨んだのですが、結果、
全く、かかりませんでした!
術師の方が真面目で善人だったので、本当のことを言い出せませんでした。
ペンライトを、指の先を、または目をみつめろと指示され、やがて腕は曲がらなくなる、まぶたは重くなる、身体はブルブル震えるようになる!と言われましたが、腕は曲がるし、眠くないし、震えないし、消えたはずの数字も言葉にできるし・・。私は、かかりづらいタイプなのかもしれません。ある人の大学時代の体験談で、教授が催眠のモデルにした女子大生が、かかったはいいが、術が解けなくなり、救急車を呼んで大騒ぎをしたという話しを聞いたことがあります。勝手な想像ですが、10人中、かかりやすいのは、1〜2人、全くかからないのが5人、残りが少し反応という配分ではないでしようか。
複数の方に催眠療法の経験を尋ねても、ごく少数でした。その少数の方に伺うと、やはり凄い人はいるとのこと。完全にトランスになったと伺いました。是非、私も体験してみたいですね。
今回の問題は、私がトランスに入っていないことを、術師が把握できていないことです。
それに、衣装・身だしなみ・口臭などは、対人の仕事の人間には必須のたしなみです。
ですが、術師は普段着で、飲んだコーヒーが口臭として匂った際には、興醒めでした。
善悪は別にして、ナチスには宣伝術の天才と言われた大臣、ゲッベルスがいました。彼は、こう断言します。
「真の宣伝とは、これみよがしではいけない。影のように忍び寄り、いつの間にかたっぷりと洗脳してしまうのが、本物である」
と。
「3.2.1.・・ハイ眠くなる!」
というこれみよがしなやり方は、パフォーマンスであって、真の催眠ではないのではないでしょうか?格闘技で例えると、プロレスのように思えます。
懇意にしている、カウンセラーの先生は、クライアントと話しながら催眠に入れると言われました。
先の言質そのままですね。カウンセリングの目的は善でありますが、紙一重ですね。だから、この世で真に催眠が上手いのは、詐欺師なのです。何でこんなおばちゃんがという詐欺師さんが、何10億も騙し取った話しがあります。詳細を調べると、
衣装・雰囲気・言葉・態度など実戦的催眠術師のアイテムをしっかり備えています。実戦は、地味なものです。派手さはないが、地力があります。
私は、転んでもタダでは起きない人間なので、期待したものを得ることはできませんでしたが、ショーと実戦の違いを認識できました。更に、発展したものを掴める気がしております。
チョット面白い話しですので、良ければ次回もお付き合いくださいませ。
続く