超魔術の裏技術は、プレゼン力だった?!~前編~
一流のマジシャンが舞台に立った時、最初に何をすると思いますか?
◎観客に好感をもたれる事!
なんだそうです。あくまでも、一流の方の場合のみです。未熟なマジシャンは、テクニックを無事披露することで、精一杯!好感をもたれるなんてことに、頭が回りません。
なぜ、テクではなく、先にプレゼン力なのか?それどころか、マリックさんは、
「テクが2割、プレゼンが8割!」と断言します。氏曰く、
「謙遜抜きで、私(マリック)は不器用で、だからこそ睡眠時間を削ってまで練習に努めた。今の若手を見ると、私より器用で素晴らしいテクを持っているマジシャンはいっぱいいる」
しかし!とマリックさんは続けます。
「私より、器用で素晴らしいテクを持っている若手でも、まだ私に追いつけないものがある。同じネタで演じても、私は彼らにはできない、素晴らしい舞台にすることができる。それが、プレゼン力なのだ」と。
単に、「好感をもたれる」という言葉では一面的で軽過ぎます。強いて言えば、「相手を無力化する」、弱めに言えば、「自分のペースに入れてしまう」。この極意、私もやっと理解できました。本当に気付くのに遅すぎましたが・・。
人に好感を持たれる事が極意なんて誰も言ってませんよ!違うんです!
ご説明しましょう。
全てに共通し、応用できる極意とは・・。
ミスター・マリックさんが最近出版された「超魔術の裏技術」という本があります。私が偶然、掴んだ極意そのままの逸話があり、我が意を得たり!と興奮しました。
今の若い人は知らないでしょうが、マリックさんがテレビ局のバックアップを得て40歳でブレイクした時、日本国中が震撼したのです。今では当たり前になっているテクが斬新で、この人は本当に超能力者だと信じた人が7〜8割はいたのではないでしょか?!
でも、ブレイクするまで長い下積みがありました。
デパートのおもちゃ売り場でのマジックの実演販売、ナイトクラブでの実演や、マジック専門店の開業など大変な苦労をされました。
中でも、駆け出しの頃やっていた、デパートでの実演販売。目の前で演じても、ネタバレしないテクは、この下積みによって培われたたのでしょう。それにしても、肝心の商品が全く売れない!
暇つぶしに、お客さんはマジック見るけれど、終わればパ〜っと居なくなってしまう。
その日も、一個も商品が売れないので、実演後、は〜っと溜息をつくマリックさん。
すると、一人の中年女性が現れます。一人しかいないけど、一個も売れてないから、まぁいいかと実演を始めます。マリックさんのテクに関心したこの女性、孫のお土産に買っていくわと、商品を買ってくれました。マリックさん、嬉しさのあまり、
「いゃあ、やっと買って頂いて嬉しいです!」
と言うと
「全然売れて無かったの?」
「はい、やっと今一個売れたんです」
この後、マリックさんはマジシャン人生を左右する極意を、この女性から教わることになるのです。実は、ただの素人ではなかったこの女性、こんな事を話し始めたのです。
それは・・・
後編に続く