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2019-09-22

接客とクロージング

先日、久しぶりに六本木のミッドタウンに立ち寄りました。

冷やかしで、各店のショップをそぞろ歩きしました。とはいえ、恒例のクジ引きの景品に該当する物があるか、念頭に入れてのことでしたが。
料理店は、どこも外人さんをメインに満員状態でしたが、物品販売の店はスカの状態でした。


豪華な造りの店ばかりですが、一軒、オシャレな雑貨店というのでしょうか、何となく惹かれて入店しました。

コジャレた小物が有り、中でも大中小のお皿に描かれている柄がセンス良く、景品に良いかな?としばし考え込みました。すると、早速店員さんが、やって来ました。

何をお探し?ご予算は?何にお使い?と立て続けに追い込まれると、購買意欲も削がれます。料理店以外は、暇なのでしょう。かと言って、ピラニアの様に喰いついてくるのは如何なものか?正直、「クロージングが早いんだよ!」と言いたくなりました。ゴールより遥か手前で馬の尻に鞭打ってどうするんじゃい!
ガツガツした三流接客に関わるたびに、軽井沢の駅前の店を思い出します。

随分前ですが、軽井沢の新築された豪華ホテルに招待されたので(部屋が、和室・洋室含め三つあり、リビングはまるでバーのようなシャレたカウンター付き)駅で迎えのマイクロバスを待ってました。(あっ、もちろんタダでの宿泊です。いいでしょう!)


まだ時間があるので、とあるビルの2階のガラス工芸品店で時間をつぶすことにしました。

結構広い店内には、大小綺麗なガラス工芸がビッシリ並んでおりました。買うつもりは無かったのですが、綺麗な作品群に見とれていました。ところが、いつの間に近くに来たのか、気配を感じさせずにマスターらしき中年男性が側におり、簡単な説明を始めました。小太りで、関西弁を話す人でした。私は、またしつこい接客の始まりか?!とウンザリし始めたところ、いつの間にか、姿が消えてました。あれ?っと少々肩すかしを喰った感じでしたが、うるさくなくていいやと思い、他の品も見て回りました。目が止まる品があり、これ、中々良いなぁと、心の中で思った瞬間、まだどこからともなく例のマスターが側におり、今度は説明だけではなく、
「お目が高い!お気に召したら2千円までなら値引きできますよ!」とディスカウントに入りました。購入まではちょっとと思った私が、う〜ん、そうですかぁ?!と答えるとまたいつのまにか姿を消している!


必要な時は側におり、以外は風のように姿を消す!まるで、忍者だ!でも、このマスターなんで説明を聞きたいと思う瞬間がわかるのだろう?こちらの動向に注目しているわけでもなく、姿はおろか視線すら感じさせない!これを付かず離れずの阿吽の呼吸と言うのか!さすが、本場大阪商人(関西弁なので、勝手にきめてますが)。

そろそろ迎えのバスが来る時間なので、おいとましようと思った時、素晴らしいと品が目に入りました。ベテランマスターが、その瞬間を見逃す筈が無い!
「よっしや、今なら私の一存で5千円まで値引きしまひょ!」また忍者のごとく私の側にきて声高に話してきます。クロージングに入りました。いや、お見事!私は品物以上にマスターの見事な接客とクロージングの上手さに感服して、買っちゃいました!時間つぶしに入っただけなのに!

でも、その場で興奮させただけでなく、この人から買って良かったと、後になっても小気味良さが残るのです。接客の鑑だな!今の私なら、買う代わりに接客のコツとかも質問するのですが、当時はそこまで頭が回りませんでした。勿体無い!

当院クライアントで、BMWを乗っている方に聞いたのですが、長年付き合っているセールスマンだけど、一度も買ってくれと言われたことがないのだそうです。気がつくと自ら買いたいと契約しているのだそうです。そして納品の日、白い薔薇の花束を手に訪れ、車から降りるや否や、「これを、奥様に!」と手渡すのだそうです。カッコイイですね!このセールスマンの方は社内でも、ベテランの一人なのでしょう!所詮、ドリルを売るのではなく、穴を売るのが本道で、いかに顧客の心を、鷲掴みにするかが肝心です。

情報過多の時代で、どういう接客をしたら悪いか良いかもわからないのは、三流・五流と言われても仕方がないことです。売った方も良し!買った方も良し!のウィン状態が本当の商売だと思います。
今だに、電話営業してくる迷惑なあほ会社がありますが、相手から利益を貪り取り、テメエ及び会社さえ儲かりゃいいが剥き出しです。そんなところから、例え興味があったとて、買うわけありませんよね。

軽井沢に、まだあの店があれば、いつかまた訪れてみたいです。

をはり

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