夏季限定 不気味な話し 「不気味なスタッフ Wの場合」
この話しは、以前、旧ホームページに掲載したことがありますが、再度アップします。
私は開業する前、とある健康産業の会社にスカウトされ、マネージャーとして入社しました。
今でこそ、全国どこでもリラクセーションの店はありますが、そのハシリと言えるものでした。
直営とフランチャイズの両方を急展開しており、深夜2時・3時からの会議なんぞあたりまえ。無茶な出店ぶりで、2年間在籍中、完全休は、大晦日と元旦のみでした。
仕事は事務所だけでなく、現場のクセのあるスタッフの管理もありました。
特に印象深い男性スタッフが、二人おりました。
その一人、Wのお話しを致しましょう。
色白で、ぽっちゃり顔。ややタレ目がちで口が広い感じの男でした。勤務態度は、通常ですが、
スピリチュアルな話しが得意でした。
時々意味もなくニヤッと笑った横顔を見るに、広い口が耳まで裂けているかのように見えました。
その日、私は仕切りのあるリラクセーションベッドが4台ある世田谷店に赴いておりました。
私か受付にいた時、4台のベッドの一部屋から、施術中の筈のWがカーテンを開け、血相変えて出てきました。
開口一番
「マネージャー!施術代わってください!」
と言うので
「どうしたの?具合でも悪いの?」
と聞くと
「違うんです!受者の身体から、霊が!霊が出てしまったんですぅ!」
と髪振り乱してのたまわりました。
このW、スピリチャルが高じて霊の世界に深入りし、受者の身体から霊を出す?というテクニックを開発したんだとか?!
女房子供にも気味悪がられ、離婚寸前になっていると聞かされていました。
「Wさん、あの霊療法はもうやらないと言ってたじやないの!」
と私がたしなめると
「いえ、出すつもりはなかったんです!勝手に霊が出てしまったんですぅ!」
とベソかき状態。
ただでさえ、多忙なのに!と私は心の中で舌打ちをし、代理のスタッフを探しました。受者の方も待たされながら
『俺の身体から霊が出てる?!』
なんて聞かされてるのですから、急がなければトラブルになる!
生憎、代理スタッフが見つからないので、私が入るしかないかと用意した時、Wが
「すみません!落ち着いたので、もう大丈夫です」
と言うので、任せることにしました。
事無きを得て、私もホッとしました。
このW、その後余計頭がおかしくなってきて退社しました。私としては、助かったという思いしかありませんでした、
ブログを書いているうちに、W はどうしているのかな?とふと思いつき、名前で検索してみました。すると、ヒットしまして、離婚してから地方に在住してました。
何やら、気功のようなものを集団に教えているみたいで、大先生になっておいででした。
ヘェ~、と感心すると共に、まだ、霊を出すという療法やってるのかなぁ?と懐かしく思いました。
Wが頭文字は、渡辺、和田という名前がありますが、本人の名前は先に述べた名前と違います。
もし、あなたが信頼されている教室の先生が、Wでないことを祈ります。
でないと、知らない間に、霊を抜かれてしまうかもしれませんよ・・・。