『最強マフィアの仕事術』 を読んで 後編

驚きの連続でした。なぜって次の文章が続いたからです。

「資産も無い、普通の人が成功するにはどうすればいいのか？
まず、成功とお金を手に入れる10の秘訣 などという文句は、マヤカシだ！目を覚ませ！ただし、成功者に共通するとこがひとつある。それは、努力だ！努力なくして成功はあり得ない。誰よりもハードに働き、多くのことに気を配ることが必要だ！」

続けて

「ビジネスは、基本が中心。正確な計画書が必要。後、成功するには誠実な仲間が必要。それと間違いを指摘してくれるコンシリエーレ(相談役・堅気の世界では優秀なコンサルタントに該当)も必要」

と彼は言う。

本の中盤では、相手との交渉術が伝授してあるが、膨大になるので、興味がある方は、一読をお勧めします。

それよりも感心したのは、後半の足を洗うとき、仲間を裏切り、情報を売れば命を保護してやると言ったＦＢＩの口車に乗らず、義理を通したところ。通したからこそ、彼は今も命があると確信します。

そして、彼の誠実な仕事ぶり。

精肉業も経営していた時、腐った肉にクレームをつけてきた老婦人がいました。映画でのイメージなら、文句あるのか、クソババァとでも言うかと思いきや、折角のお祝いをダメにしたお詫びに、別の商品で彼女の車のトランクをいっぱいにし、必死でご機嫌を取る！

たったひとりのお客でも、今後も取り引きできる約束をしてもらって、ホッとしたシーンなんて、立派だし、可愛いとおもいませんか？
現在彼は、稀な体験を活かし、コンサルタントや講演、そして執筆で生活できるように、7年かけて土台を作ったのです。

後半、彼はこう述べています。

「成功する人は、失敗しても、再び挑戦する！」

そして、彼の父親は老齢になってもマフィアの大物幹部で同業者から尊敬を集めていますが、彼はこう締めくくります。

「人には適したポジションがある。誠実な人間は、顧客やパートナーから搾取したりしない。不誠実な人間は、いつか必ず代償を払わされる！」

そして

「人生を楽しまずに、何のための成功だ！今のほうが家族と楽しく、充実した毎日を送っている。成功イコール金持ち という固定観念から自由になれたら重圧から、解放される。92歳の父は仮釈放の身であり、死ぬ時は恐らく刑務所の中だろう。尊敬されていても、それが本当に幸せなことなのか？」

最後に彼は

「税金はちゃんと払え！もちろん正当な節税はOK。国税局は、マフィアよりも執念深い！」

如何ですか？実に面白いですね！私が何か締めくくるよりも、彼の人生訓と体験を反芻された方が良いでしょう！

をはり