2016-11-29
「キリンビール高知支店の奇跡」を読んで ラスト
著者は新天地の名古屋でも、高知支店で得た体験を基に成功させていきます。
愛知万博は、売り込みのチャンスでした。万博では、大半が名古屋以外の会社が出店したのですが、地元ではないので、募集も、面接場所も無く、途方にくれていたそうです。
そこで、すかさず著者は名古屋のキリンビールのビルを面接場所として提供しました。代わりに、キリンビールを会場では目立つ所に置かせてくれとギブアンドテイクを成立させます。
テレビのコマーシャルで俳優が着ていた黄色のシャツを、社員全員が着て電車出勤しました。著者と工場長は、缶ビールの着ぐるみを着て街に繰り出します。恥をかなぐり捨てている姿に、本社から見学に来た社員は、ビックリ仰天したそうです。
甲斐あって、強敵アサヒビールから、売り上げ首位奪還を果たします。一同嬉し涙を流したそうです。
その後、抽選で景品が当たるキリンラガーの思い出という感想文を募ります。
熱い思いのこもった感想文が多く集まり、またも、一同の涙腺を緩ませました。お客様は、こんなに思い出と共に、自社ビールを愛してくれていたのか!感謝と感激で、感想文は、一冊の冊子になりました。販売店に関しても、ABCランクをつけていたことを、改めて反省されたそうです。
敵が成長させる、という言葉がありますが、正に地でいったビジネス談でした。
キリンさんは、アサヒさんに感謝しなくてはいけませんね。食い込まれることがなかったら、右肩上がりが当たり前という、無意識にしても、傲慢さは治せなかったでしょう。
アサヒさんもこのままでは終わらないでしょう。今度は、再チャレンジするアサヒビールとキリンビールの戦いを、読んでみたいものです。
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