8月6日と、張本勲氏



◆若い方は知らないでしょうが
若い方は、張本勲さんと言っても、TVで「喝!」とやってるオジサンという認識しかないのではないでしょうか?元プロ野球選手で、初めて達成した3000本安打は、イチローさんに記録を破られるまで、誰も到達することができませんでした。9年連続の打率3割の記録保持者でもあります。広角に打ち分ける打法は、「扇打法」と言われ、解説者から技術を超えた芸術とまで賞賛されました。
今回、たまたま彼の著書を手にしたところ、意外な側面を知ることができました。まず、在日韓国人2世で、広島県生まれの彼が、原爆被害者であることはあまり知られていません。8月6日に落とされたピカドンは、あたりに漂う肉の焼ける臭いと、苦しむ人々のうめき声の地獄絵図を、深く少年張本氏の記憶に刻みました。
しかも、美人で自慢の長姉が直接被害に遭い、見分けがつかない無惨な姿になり、苦悶のうちに亡くなっています。
◆まるで、野口英世と同じ
彼が、4歳の時、バックしてきたトラックに跳ね飛ばされ、焚き火の中に身体を投じられました。「ぎゃー!」と大声で泣き叫んだそうです。火傷は右側の顔、胸そして右手に及びました。問題は右手で、炭のように黒く焦げ、小指と薬指が焼けて3分の1しか残っておらず、癒着してしまいました。親指と人差し指は、内側に曲がったままです。家族が犯人の運転手を探すよう交番に行くと、「何だ、おまえら朝鮮人か」と相手にされず、一族は、この時ほど悔しい思いをしたことがないと、記されていました。しょうもない日本人もいたものです。小学校4年になって、やっと癒着した指の手術をしましたが、まるで、野口英世の体験そっくりです。
プロ野球選手になってから、「張本は、打撃は良いが、守備は下手だ♪」とからかわれても、彼は明るく笑っていましたが、この事故が大きく影響しているのでしょう。妻子にも見せたことのない右手を、唯一川上哲治氏に見せたところ、「おまえ、その手で・・」と言葉に詰まって涙ぐんでしまったそうです。ハンデのある右手で3000本安打を達成できた裏には、どれだけの工夫と努力があったのか・・。半狂乱になってバットを振りまくり、布団の横にサムライよろしく、剣ではなく、バットを置き、閃くと、夜中に起きて振っていたとか。
◆なぜ、韓国野球は強いのか?
貧乏生活を送る中、プロ野球の選手が、肉やご飯をふんだんに食べるシーンを見て、自分もプロになると誓いました。先に述べた活躍を経て、1981年に引退しました。翌1982年に、韓国野球委員会のコミッショナー特別補佐になったのです。つまり、今の韓国プロ野球の土台を作ったのです。日本とアメリカのいいところをミックスした、韓国スタイルを模索したのです。「祖国の韓国プロ野球発展のために、力を貸してほしい!」と在日の選手を説得して派遣したのです。他にも日本人指導者も派遣しました。
◆恥の文化 日本と、恨みの文化 韓国
WBC(ワールドボールクラシック)で、日本に勝った韓国チームは、マウンドに韓国の旗を立てるという、無礼なことをしました。野球も国情もそっくりに思えます。韓国野球を育てた日本に侮辱的なことを平気でする。インフラや学校、高速道路もその他多くを移譲した日本に難癖をつける。先の、張本氏が在日の選手を韓国に送ったとき、パンチョッパリ(半日本人)と言って差別されたのです。韓国人のくせに、韓国語も喋れないのかと難癖をつけるのです。差別は日本国内よりも酷かったようです。これは歴史を理解しているいないの問題ではなく、陳腐ですが、民度としか言いようがないです。張本氏の著書の中にも、感謝と恨みが混合していると感じます。本人は、広島で生まれていますが、両親は、日本人が韓国を植民地にし、田畑を取り上げたから、仕事を探して日本に来たと、はっきり書かれています。剥奪した国にわざわざ仕事を探しに行くものでしょうか?彼は両親に言われたままを覚えているのでしょうが、冷静に考えてほしいものです。ソウル大学の元教授が書いた「反日種族」には、韓国の米を買った日本は、ちゃんと金銭を払っているのに、権力者は日本に掠奪されたと騙し、農民にお金を支払ってない旨があります。この教授だけではなく、韓国人の複数のYouTuberが資料を元に、同じことを訴えています。怒りのパワーは、使い方によっては昇華させることが確かにできます。あくまでも、昇華させるのが目的であって、いつまでも復讐を快感とするような感覚は異常でしかありません。反面、日本の縮み志向で、すぐに反省・謝罪を良しとするのも変態自虐趣味で気持ち悪いです。
張本氏の著書で、勉強もさせてもらいましたが、日韓関係の縮図を見た気がして残念です。WBCでの韓国チームの振る舞いひとつでも、「これは良くない!」とどこかに書いてあるのでしょうか?私が見落としたのでしょうか?張本氏にとって、祖国は韓国で、母国は日本であるはずです。母国といえども、加害者であることは、永遠に変わらないと本気で思うなら、もし、私が同じ立場なら、アメリカでもどこでも他の国で頑張りますね。何で顔で笑いながら、腹の中で憎悪をくすぶらせ、その国の言葉を話し、金銭を稼ぎ、ゆとりのある生活をおくるのでしょうか?私には理解できませんし、拡大すれば、日韓関係の将来を俯瞰するものであります。
喝!