成功する強さとは? ~中編~
鉄人を思わせる佐藤師範のもうひとつの致命的弱点!
それは・・・、武道家・格闘家としては、優しすぎる性格でした。
もちろん、柔道家時代から乱取り・試合をしている最中は、勝負に徹するよう心がけておられました。
しかし、ひょんなところ、例えば空手の試合中、先輩に対して前蹴りをアゴにヒットさせた時!
一瞬、意識を失わせ、最低でも技有りになのに、「先輩、大丈夫ですか?」と尋ね、回復まで待ってしまった事。
他にも、台頭してきた後輩との試合でのこと。まだ尻の青い後輩を、問題にしない内容でしたが、勢い余って後輩が、高い試合上から転落しそうになった時、必死に袖を掴み、大怪我しないように元に戻しました。この時、観客に外国人も観戦していましたが、機関誌に「立派な対応に感動した!」とコメントが載りました。何と、同じシチュエーションが、他の後輩の試合でもあったのです。
そんな強い佐藤師範も、優勝を逃す低迷の時期がありました。
佐藤師範自ら、日頃の性格の甘さを悔やまれておりました。彼の後輩である、有名な東 孝師範(現・大道塾主宰’)は、当時の日記に、こう記されています。「信じられない!あの強い(佐藤)先輩が、負けるなんて!・・やはり、勝負に勝つには、冷酷・非情な性格でなければダメなのか?」と苦悩されています。
これは、古今東西、非情では角が立ち、情に溺れれば流される!このバランスは、実に多くの努力家が悩む通過点でもあります。
片方に偏ることは賢明ではなく、手綱を締めたり、緩めたりする感覚が大事です。これは、自己だけでなく、対人や、人の使い方でも同じことです。ザックリ言えば8割非情で、2割温情くらいの心構えが妥当な線です。
格闘技の世界、及び弱肉強食のビジネスの世界では、別なのでは?
やはり、冷酷・非情な性格の人間が有利なのでは?
と、思われた方もいることでしょう!
雛形として、格闘技の世界ではどうだったか?
私の見聞きした範疇であることを前提として以下にお答えしましょう!
非情だけの人間は、成功しないのです。ある程度は、バッサバッサと切り倒していきますが、自己あるいは、何某かのトラブルが起きやすいです。人も天も、実力だけで、非情な人間、あるいは、卑怯な人間には味方しないようです。
8:2の法則は、ここでも適応するのではないかと思います。
まとめると、成功する強さを持つには、天地人の配合が必要であること。
地は自己努力。人は、人を尊敬、納得させる素養をもつこと。
さて、残る天とは?
後編に続く