2016-05-17
この人だぁれ? 中編
マーケティングの世界で、ドリルを売るな、穴を売れ!という有名な言葉があります。
高塚さんが、ひょんなことから、営業に配属されたとき、先の言葉が絵に描いたように展開されました。
先輩のベテラン男性陣は、小さいときからの車好きが高じ、セールスマンになったような人ばかり。お客様に、立板に水で説明を続けます。・・しかし、中々売れない。まして、色の違いしか説明できない高塚さんは、話しに詰まってしまいました。重苦しい沈黙を何とかしなくちゃ!と焦りながら、趣味で海外旅行に行ったとき、自社で扱っている車を見かけたときのことを思い出し、こう言いました。
「オシャレなレストランの前に、この車が停まっていたんです。とても様になっていて、カッコ良く見えました!」と。
すると、お客様の会話が予想以上に盛り上がり、契約をとることができました。
つまり、先輩のベテランセールスマンは、ドリルを売っていたのです。立板に水のセールスも、結局自分の専門知識をひけらかす、自慢にすぎなかったのです。シラケながら聞いているお客が望んでいたのは、商品説明ではなかった!共感と「穴」、つまり車を買って何が得られるのか?だったのです。鉄の塊が欲しかったわけではないのです。
高塚さんが偉いのは、この後です。
貴重な気づきを、ビギナーズラックで終わらせぬよう、お客様の求めている「穴」の研究を更に磨きました。
☆いよいよ佳境の後編に続く
関連記事